この記事では、テクスチャの黒抜きする方法を3つ紹介していきます。
使用ソフト
・After effects
対象読者
・エフェクトデザイナー
・AEでテクスチャを作っている、作りたい方
・AEで黒抜きの方法を知りたい方
環境
・After effects 25.3.2(日本語版)
※バージョンは何でも大丈夫だと思います。
目次
黒抜きとは
まず、黒抜きとはなんなのか説明します。
簡単に言うと、必要の無い黒い部分を消して透明にすることを言います。
↓黒抜きした時の図

ゲームエフェクトにおいては、Alpha blendなどを使う際に黒抜きします。
黒抜きせずにAlpha blendを使った場合、黒い部分がそのまま表示されてしまいます。
Additiveでは、黒抜きしなくても黒い部分は残りませんが重なりすぎると
真っ白になり、エフェクトのシルエットが分からなくなってしまいます。
何の要素に使うのか判断してAdditive、Alpha blendの使い分けとそれに対して黒抜きしていきましょう。
↓黒抜きせずにAlpha blendを使うとどうなるかの図

1.VC color vibrance
最初に紹介するのは、VC Color Vibranceです。
この機能はプラグイン(無料)のため、インストールする必要があります。
https://flashbackj.com/product/color-vibrance
こちらURLになります。
今回紹介する3つの内、僕が一番使っている機能です。
とても使いやすいのでぜひインストールして使ってみてください!!
1-1:黒抜き方法
使い方は簡単です。
まず、黒抜きしたい画像を用意してください。
用意できたら画像にVC Color Vibranceを適用して
Matte Alpha:On
Matte Alpha:Only
上記のどちらかを選択すれば黒抜きできます。
その後、下画像の赤丸部分の透明グリッドアイコンをクリックすることで黒抜きできているか確認できます。

1-2:OnとOnlyの違いについて
次は、OnとOnlyの違いを説明します。
On:黒抜き+色付け
VC Color Vibranceには、黒抜きだけでなく色付けもしてくれるのですが
Onだと色を付けつつ、黒抜きしてくれます。

Only:黒抜きのみ
色を付けていても強制的に元の色の状態になります。
黒抜きだけしたい!という場合は、Onlyに切り替えるだけで大丈夫です。

2.リニアカラーキー(Linear Color Key)
続いてリニアカラーキーを紹介していきます。
こちらは、プラグインではないのですぐに使うことができます。
VC Color Vibranceの次に使用頻度が高いです。
2-1:黒抜き方法
それでは、リニアカラーキーでの黒抜き方法を説明していきます。
黒抜きしたい画像を用意できたら、キーイング(Keying)からリニアカラーキー(Linear Color Key)を適用していきましょう。

リニアカラーキーが付与できたら、
キーカラーを黒色に変更 or スポイトで消したい色(今回は黒色)をクリックしてください。
すると、勝手に黒い部分が消えてくれます。

ただ、VC Color Vibranceと比べると外側に黒い部分が若干残っている&パキっとしていると思います。
これを解消したい場合は、マッチング柔軟度を調整することで解消が可能です。
マッチング柔軟度:100
先ほどよりも外側がふわっとしたと思います。

マッチングの許容度:30
マッチングの柔軟度:30
柔軟度ともう一つ、許容度という項目があります。
こちら数値を上げれば上げるほど削れていきます。
柔軟度と合わせて使っていくといいかもです。

3.チャンネルコンバイナー
最後にチャンネルコンバイナーを紹介します。
正直黒抜きするときは、前に紹介した2つを使うことが多いです。
他2つが使いやすいというのが理由ですね。
3-1:黒抜き方法
それでは、黒抜き方法を説明していきます。
変更オプション:最大RGB
ターゲット:アルファ もしくは アルファのみ


とりあえず上記のようにしておけば黒抜きできます。
アルファとアルファのみの違いですが、
アルファ=付いていた色を反映した上で黒抜きする
アルファのみ=付いていた色を反映させず黒抜きする
という違いになっています。

↑元画像です。
元画像を色付けしていない場合、アルファにすると若干暗くなってしまうので
その場合は、アルファのみにすると良いです。
3-2:最大RGB以外を選択すると…?
先ほど最大RGBにしておけばとりあえず黒抜きできると記載しましたが、最大RGB以外にも黒抜き可能です。

今回、赤、緑、青の三色の円の画像を用意しました。
変更オプション:赤
ターゲット;アルファ

変更オプション:緑
ターゲット;アルファ

変更オプション:青
ターゲット:アルファ

赤、緑、青など選択した色のみを抽出して黒抜きしてくれます。
チャンネルコンバイナーについては、自分でもまだわからないことが多いので詳しい方など情報いただけるとありがたいです。
選択した情報を別の情報に変換する という機能なのかなと解釈しています。
4.使い分け
最後に、どう使い分けているか紹介したいと思います。
僕は、VC と リニアを使うことが多くチャンネルコンバイナーはほぼほぼ使うことがないので
使い分けに関しては、VC Color Vibranceとリニアカラーキーの2つを説明したいと思います。
4-1:VC Color Vibrance
VC Color Vibranceは黒抜きついでに、色付けもしたいって時に使用してます。
黒抜き方法が一番楽な上に、色付けが綺麗なので使用率が高いです。
ただ、黒抜き方法した際に灰色や色付け部分(輝度が下がってる色)が半透明になってしまうことがあります。
※ならないパターンもあったりします。
↓灰色

↓色付き

4-2:リニアカラーキー
リニアカラーキーは、消したい色の指定ができるので
黒色以外で消したい色がある場合は、リニアカラーキーを使用しています。
それと、先程VC Color Vibranceで黒抜きした際に半透明になってしまうと言いましたが
半透明になってほしくない場合、リニアカラーキーで黒抜きしています。
ただ、若干黒線が残ってしまうのが気になってしまいますが…
フラクタルノイズのようなグラデーション多めのものは、許容度と柔軟度の数値を調整すると
結構マシになりますが、下画像のようなグラデーションの無いものは
数値を変更しても黒線部分はあまりマシにはなりません。


といった感じで僕の知っている黒抜き方法を3つ紹介させていただきました。
テクスチャ作成する上で黒抜きは高頻度で行っていくので、ぜひ使ってみてください。
もしかしたらまだまだ黒抜きできる方法があるかもしれませんので、他にもご存知の方がいたら教えていただけると嬉しいです。
最後まで見ていただきありがとうございました、次の記事も見ていただけるとありがたいです、お疲れ様でした!!