この記事では、UnrealEngineとSubstanceDesignerを使ったオーラマテリアルの作り方をご紹介します。
オーラマテリアルの中では一番ベーシックで簡単な方法だと思います。
初心者にも分かりやすく解説していくので、よかったら最後までご覧ください。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_34.gif)
SubstanceDesignerでテクスチャ作成
SubstanceDesignerでUnrealEngineに持ち込むテクスチャを準備します。
どれも2.3個のノードをつなげるだけなので、もしSubstanceDesignerがない方はAfterEffectsでも大丈夫です。
※AfterEffectsで作る方はTiling処理をお忘れなく
完成後のノード構成
ノード構成はこのようになります。
テクスチャは全部で3種類あるので、順番に説明していきます。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_01_00-1024x723.png)
オーラ素材Aを作る
まず初めに、ぼんやりとしたオーラ素材Aを作ります。
UnrealEngineで扱いやすい素材にしたいので、あまり白色になり過ぎないように気を付けます。
今回のように加算合成で使うテクスチャは、全体的に黒くし、見せたい模様だけうっすら白にするイメージで仕上げると良いです。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_02-1024x562.png)
1. Perlin noise
スケールは大きめで、ぼやけた感じに。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_03.png)
2. Level
黒い部分を増やします。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_04.png)
3. Perlin noise
スケールは小さめで、違うパターンも用意します。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_05.png)
4. Level
同じように黒い部分を増やします。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_06.png)
5. Blend
2つを合体します。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_07.png)
オーラ素材Bを作る
次に、ハッキリしたオーラ素材Bを作ります。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_08-1024x508.png)
1. Voronoi Fractal
有機的なノイズを作ります。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_01_09_00.png)
2. Invert Grayscale
白黒を反転し、線を浮き上がらせます。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_10.png)
3. Level
グレー部分をなくし、黒い部分を増やします。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_11.png)
パターン素材をつくる
最後に、ディストーション(歪み)するときに使うテクスチャを作ります。
コントラストが小さいほうが使いやすいテクスチャになります。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_12-1024x630.png)
1. Perlin noise
スケールは大きめで、ぼやけた感じに。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_13.png)
2. Blur HQ Grayscale
ブラーをかけて馴染ませ、コントラストを小さくします。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_14.png)
UnrealEngineでマテリアル作成
ここからは、UnrealEngineのMaterialGraphを操作していきます。
さきほど作った3種類の素材を使い、動きのあるオーラに仕上げていきます。
完成後のノード構成
ノード構成はこのようになります。
一見複雑そうですが、機能ごとにみるとシンプルなので、順番に説明していきます。
できそうな方は、画像を見ながら同じようにノードを組んでみてください。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_15.png)
オーラ素材を準備する
まずはテクスチャ読み込み、スクロール、強さの調整を行います。
TextureSampleにはオーラ素材Aをアタッチしましょう。
Pannerでスクロール、Texcoord[0]でタイリング、最後のMultiplyで強さを調整しています。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_16.png)
すべてコピーし、また同じノードを作ります。
TextureSampleにはオーラ素材Bをアタッチしましょう。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_17.png)
2つを合成し、Opacityにつなぎます。
このような見た目になればOKです!
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_21.png)
ディストーション(歪み)を加える
テクスチャの歪みは、TextureSampleに流し込むUVマップを歪ませるとできます。
むずかしく考える必要はなく、ただ元々のテクスチャUV情報に対して好きなノイズを合成するだけです。
TextureSampleには汎用ノイズ素材をアタッチしましょう。
TextureSampleからRとGチャンネルだけを取り出してAppendにつなげ、UV情報を作成しています。
Multiplyで歪み強度の調整を行い、Addで元々のTexcoordと合成して完了です。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_22.png)
最後に、いま作ったUV情報をさっき作ったTextureSampleのTexcoord[0]と差しかえましょう。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_23.png)
これでオーラ素材が歪みました!
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_24.png)
マスク処理する
いまのままだと、テクスチャの切れ目がパキっとし過ぎているので使いづらいです。
自然に馴染ませるためにマスク処理をしていきましょう。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_25.png)
このように上下両端をだんだん薄くフェードアウトさせて馴染ませたいと思います。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_26.gif)
Texcoord[0]からGチャンネルだけ取り出し、OneMinusで上下反転したものと合成するとマスクができます。
(Texcoord[0]にはU(R)…横方向グラデーション、V(G)…縦方向グラデーションが格納されています)
PowerのExpに1以上を入れ、Multiplyでコントラスト調整し、出力値をSaturateで0~1にまとめこんで完了です。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_27.png)
同じように左右も馴染ませていきます。
ただ先ほどとは違い、カメラがテクスチャを横から見たとき、左右両端がだんだん薄くなってフェードアウトするようにします。
このように、見る角度によって輪郭が変わる効果を”フレネル”といいますが、Fresnelノード1つで行えます。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_28.gif)
Fresnelの結果をOneMinusで反転し、Powerで強度調整したら完了です。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_29.png)
2つを合成し、オーラと合成したものを再度Opacityにつなぎます。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_30.png)
このような見た目になればOKです!
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_31-1.gif)
まとめ
お疲れさまでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
さきほどのマテリアルをNiagaraに持っていき、ルック調整した結果がこちらになります。
![](https://vfx.crdg.jp/tech/wp-content/uploads/2023/07/moriya_01_34-1.gif)
メッシュに貼り付け、スポーン数を調整し、寿命による透過(だんだん消えていく)やソフトディゾルブなどを入れました。
MaterialGraphのプレビュー画面だけでは限界がありますが、Niagaraを使うことでもっと美しいオーラに見えるので、気になる方は是非お試しください。