【セミナーレポート】「ゲーム業界へ挑戦!エフェクトデザイン塾」~未経験からゲーム業界への就職を目指すには?初学者向けセミナー~

こちらの記事では、2025年12月8日(月)にオンラインにて実施された、学生・初学者向けセミナーの内容をまとめてご紹介します!

対象読者

・ゲーム業界に挑戦したい方
・3DCGを絶賛勉強中の方
・ゲームエフェクトに関心がある方

ライターの田中です。
今回は、クリーク・アンド・リバー社VFXスタジオが主催した「パーティクルナイト ゲーム業界へ挑戦!エフェクトデザイン塾」の内容をレポートします。
本講座では、ゲーム業界での就職を目指す学生・初学者を対象にゲームエフェクトの基礎や実践に移すうえでのヒントが紹介されました。

▼講師として登壇したのはこちらのお二人。
秋山 高廣氏(合同会社Flypot代表/C&R Creative Academy講師)
竹沢 和仁氏(C&R Creative Studios VFX チームリーダー/C&R Creative Academy講師)

現場の第一線で活躍するプロフェッショナルのお二人から、理論だけでなく制作現場で求められる考え方や、
学びを実務につなげる視点までを具体例とともに学ぶことができました。

それでは早速、盛りだくさんな本編の内容をお届けします!

ゲームエフェクトって?

ゲームエフェクトは、単なる画面の装飾ではありません。
ゲームの世界観を表現し、プレイヤーに臨場感を与える重要な要素です。
攻撃スキルのエフェクト、背景のエフェクト、キャラクターの周囲に浮かぶキラキラした要素など、様々な種類があります。

主な役割はふたつ。
1つ目は画面を派手にすること、2つ目はユーザーに何が起こったかを分かりやすく伝えることです。
エフェクトなしの映像と比較すると、エフェクトありの映像は格段に爽快感が増し、
ゲームの仕様が明確に伝わります。

必要な知識とスキルとは

ゲームエフェクトを作成するには、主にパーティクルシステムとマテリアル(質感作成)の理解が必要です。
初心者段階ではシェーダーを自作する必要はなく、提供されたシェーダーを使用して機能を理解することができればまずはOKとのこと。

実際の現場では、プログラマーやテクニカルアーティストがシェーダーを作成することが多いため、
エフェクトデザイナーは既存のシェーダーを効果的に活用するスキルを磨くべきですね。

初学者向けの学習ロードマップ

では実際に初学者が学習に取り掛かるにはどうすべきなのでしょうか。
セミナーでは、エフェクト制作を学ぶための具体的なロードマップが提示されました。

まず、YouTubeの無料講座(※)でテクスチャ作成やメッシュ作成の基礎を学びます。
次に、汎用ツール「Novaシェーダー」を使用してレベルアップを図ります。
その後、自分で作成したテクスチャやメッシュを使用して、より応用的なエフェクト制作に取り組みます。
パーティクルシステムの制御とマテリアルでのルック作成を最優先とし、
その後メッシュやテクスチャの作成に進めるよう、段階的に学ぶのがオススメです。

※「C&R Unityエフェクト講座」https://www.youtube.com/playlist?list=PLhzCDkTROE9tye8JUfjKq6MnnIiFHTBF7

C&R Creative Academyの実践的な教育体制

セミナーの中では、初心者がゲーム業界に入るための入口の一つとして、
オンラインスクールである「C&R Creative Academy(以下アカデミー)」も紹介されました。
未経験者が学習の順序や到達目標を見失わないよう、作品制作とフィードバックを軸にステップアップできる仕組みが用意されています。
そして無料で受講可能(!)です。初学者にはありがたいですね。

アカデミーの前段階として「Game Creators Farm(以下ファーム)」というDiscordコミュニティも用意されており、3ヶ月間で自主制作作品を一つ完成させることを目標に、講師からフィードバックを受けながら制作を進められます。
その後、段階的に学べるカリキュラムを通じて、実制作に近い環境で学習を進める流れが示されました。

アカデミー本科では、5つのユニーク課題と2つの選択課題に取り組みます。
ユニーク課題では、生徒が自分で企画したエフェクトを制作し、段階的なフィードバックを受けながらクオリティを高めていきます。

ライブレビューから学ぶ評価の視点

エフェクトの基礎と学習の進め方が分かったところで、アカデミー卒業生の実際の作品を使用したライブレビューも行われました。
登壇した猿橋さんと山口さんの作品を通じて、評価者がどのような視点で作品を見ているかが明らかになりました。
参加者のコメントや質問も多く集まり、終始盛り上がっていました!

▲フィードバック前/後

猿橋さんの作品では、初稿の段階からすでに高いクオリティが実現されていました。
色使いの工夫、複数の要素の組み合わせ、細かいアニメーション表現など、初期段階で多くの工夫が施されていました。
フィードバックを通じてさらに細部を調整し、最終的により洗練された作品へと進化させていきました。

▲フィードバック前/後

山口さんの作品では、毒の属性を持つエフェクトが制作されました。
初稿から複数回のフィードバックを経て、ドロドロした質感、波の表現、粒子の配置などが徐々に改善されていったようです。
本作品の「毒」のように、属性に応じた表現の工夫が重要であることがよく分かります。

フィードバックプロセスの重要性

「実際にフィードバックを受けても、それを活かしきれず終わってしまった…」という苦い経験をした方も多いのではないでしょうか。
そんな場合にはまず、自分が何を作りたいのかを明確に言語化してみましょう。
講座では、ビジュアルだけで判断するのではなく、コンセプトボードを作成して意図を明確にすることが推奨されていました。

また、提出回数を重ねることも重要です。
限られた時間の中でいかに効率的に修正を重ねるかが、最終的なクオリティに大きく影響します。
スピード感を保ちながら、バランスよく改善していくことが求められます。
(ただこれが一番難しい…とプロでもよく悩むようです)

学生や未経験者が今のうちにやっておくべきこと

初学者であれば誰もが気になるであろう、「業界に入るために今のうちにやっておくべきこと」。
意外にも映像、美術、音楽、小説など、あらゆるエンターテイメントからインプットを得ることが非常に重要です。
これらの経験が、いざ制作する際のリファレンスや創意工夫の源となるためです。

また、実践においては作業フローの整理も訓練しておくべきとのこと。
実際の現場では、発注を受けてから制作が始まります。
自分の中で作業フローを整理し、リファレンス集めから仮エフェクト制作、ブラッシュアップまでの流れを理解することが大切です。
ゲームエフェクトの模写も有効な学習方法ということで、やはり理論だけでは気づけない細部の工夫を理解するには実践が不可欠ですね。

Q&A

ここからは、セミナーの最後に寄せられたQ&Aコーナーで寄せられた質疑応答をまとめてみたいと思います。

Q. 講師という立場から見て、成長する人材の特徴とは?
A. ズバリ5つあります。質問や相談ができるコミュニケーション能力(ゲーム制作はチーム作業。プランナーやプログラマーとの連携が不可欠!)・理論と実践のバランス(知識を詰め込むだけでなく、実際に手を動かして試行錯誤する)・締め切りに対応できるメンタル(現場では常にスケジュール圧力がかかります)・こだわりを持つこと、です。

リファレンスをしっかり集め細部にこだわることで、クオリティの高い作品が生まれるため、特に最後の要素はクリエイターとしては最重要かもしれません。

Q. ポートフォリオ(デモリール)作成のポイントを教えてください
A. 含めるべき作品数は、一般的に7作品程度が目安で、時間としては1分から2分以内が適切です。
作品にはリアル系とスタイライズド系の両方を含めることが理想で、制作能力の幅が見せられれば良いデモリールといえます。
また、忘れがちなのがカメラワーク。派手なカメラワークも有効ですが、固定カメラでエフェクト自体の質を見せる作品も必須です。

こだわりが感じられる作品、新しいツールに挑戦している作品、ゲームのルック的にこだわりが見える作品など、個人の軸が見える作品も採用担当者の目を引きます。

Q. 環境エフェクトの活用を教えてください
A. 焚き火、雨にぬれる表現、雪や砂ぼこりなど、環境で使用されるエフェクトもデモリールに含める価値があります。
ついかっこいい戦闘エフェクトに偏りがちですが、1、2作品程度の環境エフェクトを含めてスキルを見せられると良いでしょう。

Q. 実務での時間配分はどんな感じなのでしょうか?
A. 実際のゲーム業界での作業では、中規模のエフェクトで3日から5日、より汎用的なヒットやスラッシュで2日から3日程度が一般的です。
また、教育現場ではクオリティを高めるために複数回のフィードバックが行われるのに対し、実務ではリテイク回数が限定されることが多いです。

Q. アイデア創出の方法を教えてください
A. 好きなゲームのエフェクトから要素を抜き出して、別の属性やモチーフに変えてみることが挙げられます。
また「学生のうちにやっておくべきこと」でも述べましたが、ゲーム以外の分野からのインスピレーションも有効です。
講師の秋山先生は、ファッション系のリアリティ番組を見てアイデアを思いついたことがあったそう。
色使いやテクスチャーの組み合わせ方、メイクアップアーティストの表現技法など、一見関係のない領域でも応用できる要素は十分にあります

Q. 採用する側から見た採用基準を教えてください
A. 企業の採用基準は年々上がっています。
アカデミーで制作されるレベルの作品は、採用の基準として十分なクオリティを備えていますが、
それでも書類選考を突破するのは簡単ではありません。
こだわりが感じられ、自分で考えられる姿勢が見える作品は特に評価されます。

デモリール以外にも補足資料の質が重要です。
作品の制作意図、工夫した点、参考にした作品など、詳細な情報を提供することで、採用担当者に対して自分の思考プロセスを示すことができます。

まとめ

このセミナーを通じて、ゲームエフェクトデザイナーとしてのキャリアパスが明確になりました。
基礎知識の習得から始まり、段階的なスキルアップ、そして実務への適応まで、体系的な学習が重要です。
最も大切なのは、継続的な学習と改善の姿勢です。
フィードバックを積極的に求め、試行錯誤を重ね、常に新しいアイデアを探求することが、プロのエフェクトデザイナーへの道を開きます。

ゲーム業界への就職を目指す方、今からでも遅くありません!基礎を固め、ポートフォリオを充実させることで、夢のキャリアを実現できるでしょう。

★本記事で取り上げた「C&R Creative Academy」「Game Creators Farm」についてもっと知りたい方はこちらから!
・「C&R Creative Academy」https://www.cr-ca.com/
・「Game Creators Farm」https://www.cr-ca.com/gc-farm/

ライター紹介
田中
ゲーム/CG領域を中心に、クリエイター向けイベント・セミナーの取材レポートや、人材育成・キャリア支援に関する記事を執筆。現場で語られる実務のリアルを、未経験者にも次の一歩が分かる形で整理し、具体的な行動につながるコンテンツ制作を心がけている。

kazuhito.takezawa

VFX STUDIOのリーダー、C&Rクリエイティブアカデミー/Game Creators Farm講師
(兄魔もここ/Anima Mococoとしても活動中)
アカデミー卒業後、2021年から3DCG VFXデザイナーとしてC&R社へ入社しました。
UnityやUE5などの技術研究や資料化が好きです。ゲームエフェクト業界全体のスキル底上げに貢献したいなと思っています。

好きなもの:ドーナツ/「FF13」をきっかけに魔法使いになりたいと思い業界に入りました。

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